あとがき |
【製作の由来】 |
この液体ヘリウム移送管は、フィンランドのヘルシンキ工科大学で利用されていたもので、大阪大学の天谷教授(現在は退官されてます)が専門誌「固体物理」に紹介されたものです。当時大阪大学の学生だった小堀現千葉大学教授が技術を継承し、今では千葉大学理学部物理学科で数多くの装置に利用されています。 |
【改良点】 |
≪ 内管の継ぎ目接続部品は外側へ変更 ≫ 従来の設計では継ぎ目接続部品は内側にありました。これを外側へすることで 流路断面積の減少をなくし、更に継ぎ目のロウ付け箇所が2箇所に増え 強度を増すことができました。ただし、これによって太くなるため外管へ入らなく ならないよう注意しなければなりません。 |
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≪ 吸い込み口に「側面吸引キャップ」を付加 ≫ 容器の底には少しづつ入り込んだ固体空気が堆積しており、 トランスファーチューブをこの層に挿入してしまうと この固体空気を吸い込んでしまい、目詰まりを起こしてしまいます。 移送ができないか極端に移送速度が落ちます。 このため予め容器ごとに深さを知っておき 底までつけないようにするか側面から吸引する必要があります。 |
【あとがき】 |
銀ロウ付けは非常に難しく、失敗した箇所を切り落としては何度もやり直しをしました。
たまに行う程度ではやはり技術が足りません。
どんな事にも言える事ですが技術を身に付けるためには多くの経験が必要で、銀ロウ付けを頻繁に
行うためにも工作のチャンスを増やしていきたいと思います。 実験系の教官方からお聞きした事によれば 以前は製品が無かったりもしくは高価であったため、自作して間に合わせるのが当たり前だったようです。 最近では購入して済ませることが多くなり、世代を経るごとに工作技術が衰退していっているとの事です。 私もまったく工作技術を持っていなく、今回はとても勉強になりました。 自作した製作品が実用面でも優れていて成果を出すのであるのならば、これは製作者にとっては大いに 喜びであり、また達成感も得ることができます。学生に工作のおもしろさを気が付かせるきっかけになるかもしれません。 |