概要
物理学科/物理学コース紹介
物理学は、私たちの周りの自然界の諸現象の奥に存在する法則を、実験事実をよりどころにして追求する学問です。物理学ではこれまでの自然探求により得られた成果を基に、未知の自然現象を調べ、新たな法則を見出す為に、多彩な物質・現象の諸性質と構造を明らかにする努力が常に続けられています。物理学の対象には、素粒子、原子核、固体・液体などの凝縮系、分子・生物系、地球・宇宙というように、ミクロな世界からマクロな世界までの様々なものがあります。このように物理学の対象は多岐にわたり、またそれぞれの分野において豊富な内容を含んでいます。私たちは急速に進歩する教育研究活動に対応するために、10程度の教育研究分野を組織し、より機能的な教育研究体制を維持しています。
さて、物理学のどの分野を探求するにも、その基礎となっている力学、電磁気学、量子力学、熱・統計力学などを十分修得することが必要不可欠です。本物理学科では、これら物理学の基礎科目の講義と演習、および実験指導が、きめ細かく整備されたカリキュラムに基づいてなされています。また、物性物理学、原子核物理学、素粒子物理学、宇宙物理学といった専門的な講義、および物理学に必要な数学などの講義が数多く開講されています。さらに4年次には、希望する分野の研究室に所属することにより、各専門分野の研究指導を、少人数教育の形で受けることになります。これらにより、物理学のしっかりした基礎知識を身に付けることが可能となっています。なお、特に優秀な成績を修めた学生には、3年間で大学を早期卒業し、大学院に進学できる制度も用意されています。
本物理学科の卒業生は、ここ数年を見ると、ほぼ半数以上が、本学の理学研究科をはじめとする大学院課程に進学しています。本学大学院の物理学コースには、学部4年間で得た知識をさらに発展させ、より高度な物理学の専門知識を身に付けることができる教育プログラムが用意されています。上記のそれぞれの教育研究分野は、決して学部4年間の教育のためだけのものではありません。そこでは、各分野の紹介に示すとおり、博士前期課程・博士後期課程の学生のための高度な教育研究活動が、同時に行われています。博士前期課程の修了者には修士の学位が授与され、現代のハイテク社会の基盤を担う人材として、あるいは柔軟性ある問題解決能力が高く評価され、社会の広範囲な分野で、指導的立場にたって活躍することが期待されています。また、さらに博士後期課程に進学し、物理学の最先端の研究に従事する学生もかなりの割合になっています。博士後期課程を修了し、理学博士の学位を授与された後には、物理学の研究者として活躍する道が開かれています。物理学科/大学院物理学コースは、みなさんに極めて広範な将来への可能性を提供します。